家族から見た在宅医療

要介護3で、家の中での歩行もままらなくなった、父親の訪問診療が始まった。

親しい友人の先生が、今後の父親の在宅医療を引き受けてくれたのだ。

 

昨日は初回の往診。

これまでの病歴の確認から、障害状況の確認、療養希望の確認などしながら、訪問診療の制度の説明や緊急時対応の在り方など十分説明された父親は、一人暮らしの不安が解消できたと大喜びだった。

自分が希望する療養を、自分が希望する場所で行える保証を得られたのだ。

 

これで介護的対応だけではなく、医療的対応も自宅で可能になった。

もともと病院に行きたくない。施設に入ることも拒否していた父親が自分になりに過ごす保証ができたのだ。

 

私も、初めて家族の立場で在宅医療を受けてみると、分かったことがある。

在宅医療は心強いものだということである。

 

病院の医療もありがたいが、在宅医療には違ったありがたみがある。

治してもらえる医療ではないかもしれないが、なにより安心して生活できるのだ。

 

私もこれまで自分がしてきた仕事の意味が再確認でき、さらに頑張る気力をもらうことができた。

 

同行した看護婦さんにやさしく足湯をしてもらい、見違えるぐらい足をきれいにしてもらった父親は「ありがとう。」と言って、目を細めていた。