在宅医療とは?

在宅医療をしていると、

こんなことまでしてもらえるのか?

これなら病院に行かなくても済む!

といわれることが多い。

点滴をしたり、輸血をしたり、何らかの医療処置をしたときにそういってもらうことが多い。

 

がんや難病、高齢による衰弱など自宅での療養を余儀なくされる疾患や事態は様々。

しかし誰にも共通するのが、生活の不安、介護の不安、そして医療の不安だ。

動けないのに生活できるのか?

食事や排せつに困ることはないのか?

家で適切な医療が受けられるのか?

 

そういう不安にこたえることこそが、在宅医療の大きな役割になっている。

 

そのために点滴や輸血を必要とすることもある。

酸素や呼吸器、胃ろうの管理などを擁することもある。

 

でもすべては、生活の不安を解消しながら、療養の意義を高めるためのものだ。

 

ともすると、どの職種が、何をするのかなどが議論になることが多いが、私たちは、生活の質を高めることこそが、在宅医療の役割だと思っている。

e-bookのご紹介

昨今地域医療の充実が叫ばれる中、かかりつけ医の重要性が増してきているという。

様々な医療政策の中で、かかりつけ医を中心とした医療提供体制の図も多用されている。

しかしかかりつけ医という言葉はよく聞いても、かかりつけ医とは何なのか、具体的なイメージができにくいという。

 

なぜなら、自分にはかかりつけ医がいないからだ。

 

ちなみに東京都医師会がかかりつけ医についてかなり明確にしている。

簡潔にまとまったものなので、ぜひご覧いただきたい。

https://www.tokyo.med.or.jp/counseling/primary_care/dr_choice/04.php

 

さて、このたび私たちが考えるかかりつけ医(つまり私たちはこんなかかりつけ医になりたいという理念など)についてまとめてみた。

当院のHPにあるE-BOOKに「無理無駄のない医療を受けるためのかかりつけ医ハンドブック」をぜひご覧いただきたい。

 

http://www.hiro-clinic.com/book/regional-medical-handbook/

 

私たちのかかりつけ医とは、一言でいうと”自分の社会生活を支援してくれる医療’となる。

 

未病の時には疾病予防や生活相談で、自分の社会生活を応援してほしい。

何か病気になった時には、身近な相談や迅速な初期治療で速やかに社会生活が営めるようにしてほしい。

糖尿病や高血圧など慢性疾患になった時には、その時なりの生活の仕方のきめ細やかな指導や助言をしてほしいし、無理のない医療をきちんと提供してほしい。

だんだん高齢期になってきたら、自分の今後のいくすえについても相談に乗ってほしい。

さらに虚弱化した場合は、通院できないだろうから、時には往診などもしてほしい。

さらに寝たきりになったら、無理なく家族に負担をかけず、自分も苦しまずにいい人生の締めくくりができるように支援してほしい。

 

このようにすべての時期、時期に自分の社会生活を応援してくれる医師を私はかかりつけ医と呼びたいし、そういうかかりつけ医療が皆が受けられる世の中になってほしいと思う。