超高齢者の急性期治療のありかた

山王病院で学びました。

先日山王病院で開かれた患者さんの退院前カンファレンスに出て驚愕した。

ぎりぎりのところで生活している超高齢者の方、しかも重症肺炎での入院だったが、速やかに病状が改善したばかりではなく、ほとんど生活機能低下を認めなかったからだ

なぜそんなことができるのだろう。その病院では下記のことが実践されていた。

1・家族の付き添いが認められているので、自宅介護がそのまま入院先で確保されている

2・生活機能を落とさないため、入院初日から看護、リハビリなど積極的で集学的なアプローチがされている。

3・入院当初から経口摂取を止めないなど、できる機能を取り上げない治療を実践していること

4・虚弱高齢者の特性に詳しい治療医に恵まれている。

すべての医療現場でこれらを実践することは難しいだろう。
またすべての患者さんにこのような対応ができるわけでもない。人手も必要だろうし、家族の協力なども不可欠となる。しかし虚弱高齢者が社会生活維持するために、どういう急性期医療が必要なのか、私は初めて教わった気がした。

まずは生活機能維持改善を優先すべきだったのだ。

私にとっての在宅医療の師である佐藤智先生の言葉が、頭を駆け巡った。「病気は家で治すもの。」

私たちも、もっと積極的に、在宅でこのような生活機能維持改善型急性期治療を目指すべきだと学んだ次第である。