医療法人社団三育会 新宿ヒロクリニック

在宅ケア10の誤解

感染症の怖さについての誤解

感染症は分かったときには怖くない、
怖いのは感染症と分かっていない人
感染症対応は「多分大丈夫」という考え(性善説)ではなく、
性悪説を原則に

最初に怖い話をするようですが、普段何気なくケアしている利用者さんの中にも感染症を持っている方は少なくありません。そして実際利用者さんが感染症持ちだと分かった瞬間慌てふためくということがあると聞きます。
あの痒がっていた湿疹は実はダニの一種疥癬によるものだったとか、咳や痰が多いとは思っていたが、実は結核による症状だったと言うことが分かった瞬間、みんながパニックになると言うのです。

これはある意味で、一般人としては、当たり前の感覚といえます。しかし私たち医療者から見るとすごくばかげていることでもあります。介護者は一般人と医療者の間をつなぐ職種ともいえますので、是非ここは一つ医療者側の対応方法を身に付けていただくことで、安心して感染症持ちの利用者さんに接することが出来るようになっていただきたいと思います。

私たち医療者は、もともとすべての患者さんを感染症持ちだと思って対応することを徹底しています。どの患者さん最初から感染症を持っている可能性があると考え、不用意な接触やケアをしない。自分の体の健康状態に気を配りながら、適宜手洗いやうがいなどを励行しつつ、必要な場合には手袋やマスクをすることなどで、多くの感染症を未然に防ぐことが出来るので、患者さんがいざ感染症持ちだとわかっても慌てることがないようにしているのです。
つまり、予防を徹底し、あらかじめ手袋やマスクをしたりして医療行為を行なう。どうしても感染の危険をともなう検査や処置の前に必要な感染症のチェックをすることなどしておくようにしているのです。

ここではこのような予防法つまり、ユニバーサルプレコーションもしくはスタンダードプレコーションという方法について説明します。(厳密にはこの二つは若干の差異がありますが、ここでは触れません。)

illust さてこのユニバーサルプレコーションとは随分大仰な名前がついているのでさぞや特別な対応だろうと思われるかもしれませんが、そうではありません。

実は普段皆さんがしていることを改めて明確にしたもの程度と考えていただいて結構です。

  • 痰や尿・便・分泌物や傷などは直接触らない。

  • 普段の医療やケアにおいて手袋やマスクなどの着用を励行する。

  • 手洗い・うがいなどを励行する

たったのこれだけなのです。
ここにさらに自分の体を健康に保つ。つまり定期的な検診を受診して自分の健康状態・感染症の有無などをチェックしつつ、健全に保つ努力を普段から怠らないことで通常の医療現場で遭遇する感染症のほとんどを防ぐことが出来るというのです。

是非皆さんもこのような配慮をしながら、いざ感染症だと分かったからと慌てないでいられるように心がけてください。

また逆に感染症と分かった利用者さんを過度に恐れる方がたくさんいらっしゃいます。
しかし私は感染症と分かった患者さんほど適切な接し方をお互いが心がけるので、逆に安全になるとも思えます。
感染症の知識は、人を避けるための知識ではなく、人ときちんと接するための知識として利用していただきたいものだと思います。