犬の十戒

「もう、見てはいられない。」「私はここに居たくない。」と言わず、私が旅立つまでどうか一緒に居てください。あなたに寄り添っていると私はうんと安らかでいられるのです。あなたを愛しているのですから。

ノルウェーのブリーダーが世界に広めている「犬の十戒」、その10の言葉です。1年前に16年、共に暮らした愛犬が年老いて亡くなりました。幸い、苦しむ事もなく眠るように旅立ちました。動物愛護センターで殺処分を待つ、その目にビビッと何かを感じ、引き取ってからの日々は楽しい事だけでもなく、様々な苦労やハプニングの連続でした。最後はガリガリに痩せて全盛時の見る影もなく小さくなってしまいましたが、見事に「生き切った!」犬でした。(ピーク時は12kgの雑種)

患者さまのお宅にも犬や猫がいる場合が多々あり、その度に愛犬を思い出してしまいます。どの犬も猫も冒頭の文章のように最期まで生き切って欲しいと思うと同時に、これは人間にもあてはまるのでは?とも感じました。親、妻、子供たち。順番は変わる事もあるでしょうが、共に暮らす家族として自分自身もしっかり「生き切り」そして家族はそれを「見届ける」。

今、亡くなった愛犬「キリ」から教えてもらった事を今一度、胸に刻みつつ、在宅診療のスタッフとして仕事に励みたいと思います。

アシスタント・「S」