いよいよ4月を迎えた。
新入職や新入学などで、新たなスタートを切ろうとしている人も多いだろう。企業や学校なども新年度は新しい人たちを迎えての新しいスタートとなる。私たち三育会も、この4月に多くの新入職者の方々を迎えて、あたらなスタートを切ろうとしている。今後、どのような法人になっていけるか、そして皆にとってやりがいのある職場、発展的に地域を支える集団になれるかどうかが、強く問われているという意味では、とても気が引き締まる思いでもある。
特に今年4月は診療報酬・介護報酬の同時に改定される年でもある。例年以上に大きな変化が予想されている。
私自身は在宅医療にかかわって23年になる。その間2年ごとに10回以上の診療報酬改定を経験している。毎回改定にこめられる行政側からのメッセージを受け取りながら、医療機関を運営する立場の私にとって、診療報酬改定は単に評価が上がった下がったという経営的問題ではなく、今後の在宅医療やかかりつけ医療の在り方を占う大きな道しるべでもある。今回の改定でも、新たなメッセージがこめられているように思えた。
かつての改定を振り返ると、在宅医療の24時間体制が評価される改定や看取りが評価される改定、さらにはかかりつけ機能が評価される改定などがあったが、今回は在宅医療の普遍化と医療連携や協働性が評価された改定だと思えた。
つまり今回の改定の意図は、あまねくすべての地域医療機関が連携や協働することで在宅療養支援診療所となり、初診患者を含めた外来、在宅双方でのかかりつけ機能を伸ばしてほしい。そんなメッセージが込められた改定であるように思えたのだ。
このようなメッセージを受け取り、私たちも大きな意識改革をしていかなければならない。
かつては一部の医療機関が在宅医療を行っていた時代が続いていたが、今や皆が協働して在宅医療・かかりつけ医療を伸ばしあう時代になっている。先駆的に取り組んできた私たちにとって、今後は自らの在宅医療やかかりつけ機能を伸ばすことのみならず、率先して他の医療機関と協働して、地域全体のインフラ整備に注力していくことが望まれている時代となったのだ。
そういう意味でも今年4月は地域包括ケアに向かって大きな一歩が踏み出される年でもあるようだ。