元気な人には近い距離でも、足腰の弱っている人にはとてつもなく遠い距離となる場合がある。
歩いて15分程度の距離だが、当院にはバスで来なければならない患者さん。バス停まで一人では歩けないから、通院には同行者の付き添いが必要だという。でも当院の言語リハビリを利用したいというのが希望だった。
3か月に一度程度の、病院通院は別居の親族が来て送ってくれるという。しかしリハビリのためにコンスタントに当院に通院するのに、その都度遠く離れて住んでいる親族を呼び出すことはできない。訪問リハという手立てがあるが、介護保険はヘルパー利用で一杯になっているという。
「当院から送迎に来させましょう。」私の提案に「そんなことお願いしていいんですか?」顔をほころばせながらも、申し訳なさそうにしている。
「もちろんです。週に1~2回来てください。今が大事な時期ですから、しっかりリハビリしてください。」私はちょっと自慢気に、太鼓判を押した。
当院では、これから往診車などを活用しながら、無料送迎サービスを始めることとしている。
これまでも不定期では、何人かの患者さんに利用してもらってきた。
今後は少しずつ定期的な利用も受け付けていきたい。
そんなことが言えるのも、送迎してくれるスタッフがいてくれて、さらに外来でしっかり患者さんを受け入れ支えてくれるからだ。
ありがたいことである。