大久保という土地

新宿区は33万人の人口のうち、高齢者は66000人余り、つまり高齢化率は20%程度(全国25.2%、東京都21.5%)で、決して高齢化の進んだ地域ではない。

 

しかし高齢者のうちで独居で過ごされている方は、33.2%(平成22年国勢調査)で、全国の独居高齢者率16.4%はもとより、東京都の23.6%も大きく上回り、都内、区市町村の中で第一位となっている。

 

さらに大久保地域は、独居率が45.3%となっており、ずば抜けている。高齢者8321人のうち3766人が独居で過ごしているといわれる。そして驚くことに独居の外国人高齢者も少なくないのだ。

 

当院外来にいらっしゃるのはこの大久保地域そして隣接する戸塚地域からの高齢者の方が少なくない。

ちなみにこの戸塚地域も8032人の高齢者のうち3345人が独居で、独居率は41.6%と非常に高率である。

 

つまり、両方を合わせると7000人以上の独居高齢者がこの地域にいらっしゃることがわかるのだ。

 

確かに外来にいらっしゃる高齢者の患者さんに聞いてみると、独居の方が非常に多い。スープが覚めない距離に家族が居住している場合もあるが、多くの方は家族と遠く離れて一人で生活されている。

 

韓流のきらびやかな店が立ち並ぶ街は、一方で独居高齢者が暮らす街なのである。

この大久保で、独居でも高齢者が安心して過ごせる街づくりを考え続けていきたいと思う.