リハビリ小噺 ⑬

訪問リハビリの現場では日々、様々な会話が繰り広げられています。

少しだけご紹介させていただきます。

 

「なまりは国の手形」

私は「なまりは国の宝」と覚えていました。

というのも、母がそう言っているのをよく聞いていたからです。

私の母親は青森県青森市出身。

津軽弁のネイティブです。

上京したての若い頃は口を開くたびに「なまってる」と指摘され

嫌な思いもしたそうです。

 

たくさんの地方出身者が集まる東京。

同じような経験をされた方も多いのではないでしょうか。

 

でも、なまりも大切な個性。

こんなお話もあるようです。

 

Lさんは北関東のある地方のご出身。

Lさん「ここに来てからもう何十年も同じお米屋さんにお願いしてるのよ。」

私「へぇーすごいですね。最近はお米屋さんも少なくなりましたもんね。」

Lさん「いっつも電話で注文するんだけど」

私「ほう」

Lさん「私はなまりが抜けないから、もう『もしもし』だけでわかっちゃうのよね。」

私「えっ?『もしもし』だけ⁉」

Lさん「そうよ、『もしもし』だけで米が届くんだから。」

 

恐れ入りました。

なまりのことよりもLさんのお人柄で

とっても良い関係が築けていることが素敵ですよ。