勉強会の意味

今日わたしは、「東京女子医科大学在宅医療研究会」に出席した。

毎年2回ずつ春と秋に、開かれているこの会は、今回で第44回になる。つまり22年前から続いている研究会なのである。驚くべきことである。

昨今は巷でも、在宅医療に関する勉強会は事欠かなくなってきた。しかしこれだけ歴史のある勉強会は他にはないだろう。いかに早くから東京女子医大が在宅医療を視野に入れてきたのかがわかる。

今から20年前、私が開業したのは曙橋という女子医大の御膝元の地だった。

当時女子医大はすでに退院支援としての在宅医療に力を入れ始めており、たまたまその近くで在宅医療専門で開業した私は、女子医大の退院支援型の在宅医療を手伝わせていただくことが多かった。

だから、私の在宅医療観は女子医大に育まれた退院支援型在宅医療だったといっても過言ではない。

もちろんこの間に、この研究会の担い手たちは変わったが、今でも綿々と女子医大の在宅医療を育んでいる人たちがいる。

それが今回のテーマ「女子医大が目指す在宅医療のカタチ」というテーマにもつながっている。昨今は地域包括ケアという地域ぐるみの高齢者支援体制が整えられつつあるが、実際大学病院の高度医療の患者さんが地域で生活するには、それだけでは済まないことも多い。だからこのようなテーマで新たに原点回帰を目指そうとしていると考えたのは私だけだろうか?

そんな思いを巡らせながら、私は久しぶりに歴史のあるこの会に出席した。

 

研究会のプログラムは2部構成になっている。

第一部が「喘息患者の日常管理支援」、「呼吸器疾患における緩和ケアの実際」と題されてさすがに大学病院。それぞれなかなか聞けないような呼吸器内科の専門医、緩和医療の専門家のミニレクチャーが為にになる。

また後半はシンポジウムということで、「在宅医療で苦渋する呼吸器疾患に対しての新しいアプローチ」と題して、鍼灸やアロマ、ハーブなどの利用の仕方、さらに「呼吸器疾患における在宅医療」と題して、実際に呼吸器の在宅患者さんを受け入れた在宅医の奮闘ぶりが披露された。

勉強になった。

忙しい現場に振り回されていると、さらにあえて勉強会に出ることに億劫になりがちだ。

しかし忙しければ忙しいほど、自分を見つめなおさないと、日々の事象に振り回され、方向性を見失っていくことになりかねない。

 

だから忙しい時や疲れているときにこそ、あえて勉強会に出る意味がある。

知識や技術の拡充は明日への肥やしになるだろう。医療に対する思いやアプローチの仕方を知ることは、自分への励ましになる。

 

忙しい時、あえて勉強会に行こう!

疲れた自分のために・・・