私たちは何のために努力しているのだろうか?
これまで私たちは、ガン、非ガンに限らず、ターミナル期の生活支援をしてきた。
そして生活支援を仕切った証としての、在宅での看取りにこだわってきた。
そして今、私たちはガン、非ガンに限らず早期から支援する必要性を強く感じている。
行き当たりばったりの療養の結果ではなく、早期からの生活対応や療養支援があってこそ、尊厳を持った療養があり、生命予後が改善できることを知っているからだ。
外来に元気に通院できている間は、疾病管理や増悪予防が大事だろう。
そしてそのためには、単に治療的対応では済まない。多職種による集学的支援が大切だ。
もし虚弱化が進み、外来に来れなくなったら、できれば外来、必要時に往診、そして常時24時間電話での療養相談が必要だと思っている。
しかし生活支援はそこにとどまらない。
小児には小児なりの生活支援があり、女性には女性の、男性には男性の、成人には成人の生活支援があるはずだ。
もちろん何でもかんでも介入すべきだとは思っていない。しかしよりよく生活することで、人生をエンジョイしたいと思っている人が何も頼れないのは寂しい。
様々な年齢層、様々な疾病、様々な病状ごとに、多職種で生活支援をしていくこと。・・・・これこそが私たちの目指す、かかりつけ医療である。
そして、これこそが今後の慢性期疾患の時代の基本的視点であると、私たちは信じたい。
さながら漆黒の海を照らし、船を安全な航海に導く灯台のように