帰国の時

昨年10月に来た時はカトマンズ、その近くの景勝地ナガルゴットに滞在しながら、ネパールの遺跡観光に明け暮れた。飛行機だったがヒマラヤ・エベレストを見にいったり、異国情緒を味わいながら、少しだけ医療施設の見学をしながら、知友を得ることもできたのが収穫だった。

今回私は、ネパールで何を感じたか?

一言でいうことと、今ネパールが抱えている問題と同時に日本の特殊性を感じた旅といえる。

 

中国とインドにはさまれて、主にインドからの輸入にすべての生活物資を頼っている内陸国、インフラは非常に脆弱であり、カトマンズ市内でさえも停電が日常茶飯であり,WIFI環境も乏しい。鉄道がないばかりか、道路も舗装されているところが少なく、信号などもほとんどない。上下水道の整備は追い付いていないようだった。

 

無題3

 

~ネパールの電線はこんな感じになっている。サルや鳥に少しでもかじられたら、すぐに火事になったり停電するのが当たり前とのことだ。~

 

 

健康保険はもちろん社会保障も充実しているとはいいがたい。

しかし人々は明るく、なんといってもこの国は、急激に人口が増えており、若い力にあふれている。そこかしこに若い人たちの明るい笑い声が満ちている

 ネパールの人々は一日4時間程度しか働かないという。ネパール人の休憩は、「仕事中に休むというより、休憩の中で時々働く」と教えてくれたのは、3年以上ネパールに滞在している竹内氏である。

 

仕事や品質、衛生などに完成度を高く求め、競争的社会でせいかつする日本人。

どちらの価値観が正しいのだろうか?

 

無題

~カトマンズの中心地には数多くの外国人学校が並ぶ、もちろん日本語学校も~

 

あるネパール人の医師がつぶやいた。

「日本でネパール人に高率に結核が見つかるのは、日本の厳しい寒さや労働状況で体調を壊すからではないだろうか?彼らはネパールでは健康だったはずだ。」

 

ショックだった。

 

感染症が発症するには、病原体の存在が必須だが、それだけではない。

確かに免疫などの在り方を考えると複雑な機序が関与していることは否めない。

ネパール人にとって日本は決して居心地のいい国ではないだろう。

 

今ネパールから日本へのビザ発行は以前に比べ厳しくなっているという。

私は日本とネパールの融合が進むことは両国にとって、大きな意義があると思っている。

 

お互いの価値観・文化などが融合していくことはとても得るものが多いと思っている。