小児科研修

細々とではあるが、これまでも当院では小児の在宅医療を行っていた。また今後は外来で小児医療のプライマリ対応もできるようにしたいと考えている。

 

そこでこのたび私は小児医療の研修を受けることとした。研修先の国立国際医療研究センターの小児科は医師数20名を超える大変スタッフ陣容も充実した施設である。

今後半年にわたり不定期だが、トータル40時間以上の病院研修をこれから受けることとなった。

 

本日はその初日、たった半日の研修だったが、充実した半日を過ごすことができた。

朝の申し送りから始まり、病棟の回診。そして外来業務。その合間に小児ならではの感染症の見方や見逃してはいけない疾患の数々についてのレクチャー。七野小児科部長先生以下スタッフの方々に大変感謝している。

 

特に本日学んだのは、小児ならではの診察の数々。

優しい言葉遣いで子供をリラックスさせる。

手足を触ったり、気さくにコミュニケーションを図りながら、決して仰々しい診察ではなく、遊びながら声掛けしていく。それでもその間、くまなく全身を効率的に見る。こんな診察の仕方に私はとても感動した。

 

「口腔内は最後に診察するようにしてください。これは小児科医にとって常識です。」大人には何でもない口の中の診察も、子供にとっては恐ろしい診察になるというのだ。

 

今日はその他,皮疹や便の状況などから鑑別する感染症の見方。点滴や吸入や吸引の使い方など基本的手技などについてもレクチャーを受けた。

 

小児科専門医になるわけではないし、慣れるとも思っていない。

しかし今後も小児も含めてあらゆる人たちの社会生活を支えるために、自分たちができる医療的サポートは惜しまない。

 

そのための研鑽はし続けたい。これが私たちのスタンスだ。

 

本研修を通じて、小児プライマリケアの在り方を探ると同時に、密接な連携を構築できたらと感じた次第である。

研修から帰り、クリニックにつこうとした時、近くの住民の方から声をかけられた。「早く小児科も始めてください。近所のお母さんたちと話していたんです。ヒロが小児科もやってくれたらと・・・」

こんな住民の方々の声に励まされる。

クリニックを育てるのは、スタッフの努力もあるだろうが、地域の方々の声こそが大事なのだ。