もっと知ってもらいたい失語症(講演会のご案内)

言語聴覚士(ST)が対象とする障害の一つに失語症があります。

失語症とは言語障害の一つで、病気や事故などにより脳の言語中枢が何らかの損傷を受けることによって、言語を操る能力に障害が残った状態を言います。その名称から誤解されがちですが、失語症になると話すことだけでなく、聞く・読む・書くといった言葉に関するすべての機能に困難が生じます。

失語症の症状をイメージしやすくするため、「言葉の分からない国に行った状態」にたとえて説明することがあります。

海外旅行に行ったことがある方は想像しやすいかもしれませんが、外国に行ったとき、現地の人とは言葉が通じず、相手が何か言っていることは音としては聞こえますが、その内容を理解することはできません。また、看板などに何か書いてあることは分かりますが、それを音読したり意味をつかむのは難しいものです。相手に伝えたいことや自分の考えはあっても、それをすらすらと言葉で伝えることはかなり難しいことになります。旅行であれば、その通じなさや意思疎通に四苦八苦することもまた旅の醍醐味と思えますが、母国語の日本語でそうした状況になるのはかなりストレスのかかることだと想像できます。

失語症のある方は、言いたいことがあるのに、うまく言えなくてあきらめてしまうことがあります。そうした時に周囲の方が失語症について理解を示し、コミュニケーションをとる上でのちょっとした工夫を知っていれば、失語症の方にとっては大変心強い味方になります。

というわけで、前置きが長くなりましたが、失語症のある方とのコミュニケーション方法について学ぶ講習会がありますので、周囲に失語症の方がいる、いないに関わらずご興味のある方はこの機会に参加してみませんか?

失語症理解入門講座(11月24日)      もっと知ってもらおう失語症(12月2日)
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