今の若い人たちから見ると夢物語のような話でしょうが、かつてこの国は高度経済成長と呼ばれる好景気に包み込まれた時期がありました。もちろん当時は当時なりの不幸や悲劇があったかもしれませんが、今となっては懐かしくノスタルジックに感じられる時代でもあります。そんな好景気まっただ中の1970年、大阪で開かれた万国博覧会はまさに日本の明るい未来を予見させてくれるような雰囲気もあり、日本中が熱狂的にその開催を喜び、夢中になったものです。
アメリカ館の月の石、ソ連館の宇宙船、新しいフロンティアが宇宙に向かって開いている、そんな雰囲気がありました。そして万博のシンボルであった太陽の塔。それは単にいっときの万博のシンボルにとどまらず、当時の日本全体の雰囲気をも思い出させるタイムカプセルのような働きを今も続けているような気がします。
そんな万博の跡地、万博記念公園へ先日行って参りました、アシスタントの坂本です。
万博記念公園駅でモノレールを降りるとさっそく太陽の塔がお出迎え。当時小学生だったぼくは万博に行くことができず、今回が太陽の塔との初対面。ちょっと照れてお互い無口。
実際に見てみると、ああ、これは縄文土器だなと感激しました。出産土器とも呼ばれる人面把手付深鉢土器を連想させるのです。縄文土器に大いなる関心を寄せた岡本太郎らしい造形のように思われます。
公園には万博の記念館であるEXPO’70パビリオンのほか、国立民族学博物館も併設されていてどちらも大変興味深い施設でありました。