定年がないから・・・

昨日私はある市民の集会でお話しする機会をいただいた。

今後の過ごし方を真剣に考える意識の高い高齢者の方々の集まりだった。

 

そこで、同じ出身大学の先輩医師に会うことができた。

今年86歳になる老医師は、昨年までスキーをやっていたという。

さすがに骨折が怖くなり、今年からは辞めたと快活に笑う。

今夢中なのは、フルート、以前はサックスをしていたが、重くなってやめた。

今でもダンスのレッスンは自分も受けているし、ほかの人にレッスンすることもある。

自宅は逗子の郊外だが、都内の病院の勤務や検診の仕事などを続けているので、ほとんど毎日仕事もしているという。

 

職業として医師を選んだ理由は、定年がないから‥という理由だそうだ。

確かに定年がない。しかし仕事は一様ではなかった。

大学卒業後は、外科医としての研鑽を積んだ、その後病院でさんざん手術をしていたという。

いつしか高齢になり、メスをおろし、「なんちゃって内科医」としての道を歩き出す。

そのうち検診の仕事など、いろいろ仕事の容は変化している。

常にその時のニーズに合わせて変容し続けてきたからこそ仕事が続いているのだろう。

 

老医師に教わる、人生訓・・・

それは常にその時の自分を生きることだった。

そして、それこそが今後の高齢化社会での生き方だと・・・

総合診療医の育成

1484462294393今日私は、地域医療研究会が主催する、今後の総合診療医の在り方についてのシンポジウムに出席してきた。

急激な人口の高齢化、疾病構造の変化を受けて、地域医療が担わなければならない医療分野が大きくなってきている。従来の一次医療の担い手としてだけではなく、リハビリテーションや生活に密着する医療や在宅医療など、地域生活する様々な人を支える幅広い担い手としての地域医療者の増加が必要と叫ばれている、。したがって医療界特に在宅医療を含めた地域医療課題には、次世代の良質な地域医療者をどのように育て、活躍し続けてもらうのかということに大きな関心が集まる。

その中で、今後特に、期待されているのが総合診療専門医である。

本来ならば今年の4月より日本専門医機構が中心となって、専門医制度が始まり、総合診療専門医の育成が始まるはずだったが、さまざまな議論が錯綜する中で、延期になってしまっている。

それでも総合診療専門医を育てたいという熱意がそがれることはないばかりか、ますます熱く議論されているのが実情である。

数多くの総合診療専門医を育てるためには、すぐれた指導医、優れた研修システム、研修期間中の待遇の保証、さらには将来のキャリアプランが見えることなどが重要だ。

 

しかし何より、さまざまなニーズにこたえながら、患者さんに喜ばれる医師、地域に喜ばれる医師、それを生きがい、やりがいに感じられる医師をどれだけ育てられるかが重要と感じた次第である。

謹賀新年

旧年中は大変お世話になりました。

今年もよろしくお願いいたします。

 

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ところで私は年末年始、初詣を兼ねて京都に伺いました。

国際的観光地である京都だから当たり前なのでしょうが、非常にたくさんの外国の方々がいらっしゃいました。

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有名な観光スポットは外人ばかり、駅の観光案内も英語、中国語、韓国語での表示が当たり前、外人専用の観光相談も珍しくありませんでした。

ところで昨年、当院の外来にも多数の外人の患者さんがいらっしゃいました。

韓国、中国、ベトナム、チベット、モンゴルなどなど・・

皆さん、国民健康保険を持っているのです。

「3か月を超えるビザを持つ外国人は、日本では住民登録することになっています。日本の住民であれば国民健康保険に加入する義務があります。」

新宿区役所に問い合わせると明確に答えてくださいました。

すでに50%に近い住民が外国人である大久保では、外国人の方に対する医療もまた、地域医療の課題になっているのです。

いや、日本全体の課題に・・・生まれながらの国民のための医療だけではなく、日本を選択した人にとってもいい国・いい医療であってほしいものです。