超高齢者の急性期治療のありかた

山王病院で学びました。

先日山王病院で開かれた患者さんの退院前カンファレンスに出て驚愕した。

ぎりぎりのところで生活している超高齢者の方、しかも重症肺炎での入院だったが、速やかに病状が改善したばかりではなく、ほとんど生活機能低下を認めなかったからだ

なぜそんなことができるのだろう。その病院では下記のことが実践されていた。

1・家族の付き添いが認められているので、自宅介護がそのまま入院先で確保されている

2・生活機能を落とさないため、入院初日から看護、リハビリなど積極的で集学的なアプローチがされている。

3・入院当初から経口摂取を止めないなど、できる機能を取り上げない治療を実践していること

4・虚弱高齢者の特性に詳しい治療医に恵まれている。

すべての医療現場でこれらを実践することは難しいだろう。
またすべての患者さんにこのような対応ができるわけでもない。人手も必要だろうし、家族の協力なども不可欠となる。しかし虚弱高齢者が社会生活維持するために、どういう急性期医療が必要なのか、私は初めて教わった気がした。

まずは生活機能維持改善を優先すべきだったのだ。

私にとっての在宅医療の師である佐藤智先生の言葉が、頭を駆け巡った。「病気は家で治すもの。」

私たちも、もっと積極的に、在宅でこのような生活機能維持改善型急性期治療を目指すべきだと学んだ次第である。

かかりつけ医療を考えたとき、真っ先に思い浮かんだのは、「転ばぬ先の杖」という言葉だった。

人生にはいろいろな出来事がある。その中で、病気や死、障害、衰弱などは最も大きなイベントになる。予防し、あらかじめ対策を立てながら、こんなはずではなかった。と思われないようにナビゲーションすること。転ばぬ先の杖になることがかかりつけ医療の本分だと思ったからである。

面白い画像に出会った。

 

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転ばぬ先の杖、転んだ後も杖・・・

ネットで拾った画像だが、これこそがかかりつけ医療の本分にあっているように思った。

予防や未然の対策だけではなく、いつか誰にも訪れる障害期や衰弱期にも、人生を支える医療。それがかかりつけ医療だと思う。

当院の新型コロナウイルス対策

当院では新型コロナウイルス対策として、下記の対応を開始しました。

1、 感染症を疑われる方の専用の出入り口、診療場所の確保と一般の患者さんとの完全分離
外来受診をされる方にとっては、いろいろなご不安がある時期だと思います。当院では皆さんに、安心して受診していただくように、発熱などで受診される方は、別個の出入り口からの入退室をお願いしています。(ご受診前に発熱の有無などお知らせいただければと思います。)

2、 不要な外出機会を減らすための、外来受診頻度のご相談
薬剤の長期投与などのご相談に適宜対応すると同時に、受診間隔について臨機応変に対応させていただくようにします。

3、 24時間電話対応の強化と往診対応の充実
当院におかかり方の健康相談を24時間365日対応させていただきつつ、適切な医療機関へのご案内や、受診時の診療情報提供や、必要時には当院医師による往診対応など行ってまいります。

このような対応で、地域の皆さんが少しでも安心して暮らし続けることができるようにスタッフ一同頑張っています。
よろしくお願いいたします。

新型コロナ対策

当院での新型コロナウイルス対策の概要について述べさせていただきます。

当院には高齢者が虚弱患者さんが多数来院されております。発熱者や上気道炎症状のある方については、外来においては他の患者さんとの接触を避けるために、必ず受診前に電話でご相談ください。
また当院かかりつけの患者さんにつきましては、なるべく不要な外出を避けていただく意味でも、受診頻度や受診形態などを適宜ご相談させていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。