ボトックス

昨日はボトックス治療のための勉強会に当院のドクターたち5名で参加した。

ボツリヌス毒素はボツリヌス菌によって産生される毒素で、きわめて強い筋弛緩作用を持っている。この筋弛緩作用を利用して、様々な臨床応用がされており、痙性斜頸や眼瞼痙攣や顔面痙攣の治療などにも利用されている。

現在当院ではリハビリにも力を入れている。訪問診療の患者さんもそうだが、リハビリの患者さんには、脳血管障害の患者さんが少なくない。これらの方々の多くが痙縮による悩みを持っているのだ。着替えが大変。おむつ交換が大変。見た目が気になる。など様々だ。

これらの悩みに少しでも、改善できればと思っている。そこで、ボトックス治療をより有効に活用するために、みんなで勉強しようという意図で勉強会に参加した。

決して安い薬ではない。それほど重大な副作用はないが、何か所にも注射しなければならないし、その後のリハビリが重要になる。それでも生活改善ができる期待は大きい。

ぜひ活用したい。

botu2botu1

局所治療の可能性

小児科研修で。「モクモク」という聞きなれない言葉を聞いた。

モクモクというのは、吸入療法のことだ。

内科でも喘息の時にネブライザーを利用した吸入療法が取り入れられるが、小児科や耳鼻科では、より積極的に吸入療法が取り入れられているようだ。

確かに、咽頭炎や上気道炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などは、局所治療が好ましい。このような局所の治療を行うのに、全身投与の薬を使うよりは、局所治療をしていくことは理に適っている。

今後当院では、このような疾患の外来患者さんに積極的に吸入療法をしていくことを検討している。

 

 

 

20年ぶりの恩返し

 

昨日、懐かしい人々に合うことができた。

自分が若い時にお世話になった方々だ。

 

私は研修医を浦和で過ごした。

その当時、私に目をかけてくださった方々だ。

 

その浦和で開かれる講演会で、私に在宅医療の話をと声かけてくださったのは、ハーモニークリニックの中根晴幸理事長。中根先生は私にとって生涯の恩人でもある。当時右も左もわからない一介の研修医だった私を在宅医療の道にいざなってくれたのは中根先生だったからだ。

 

「英君。これからは在宅医療の時代になるんだよ。」そんなことを中根先生は何度も研修医の私に言ってきかした。在宅医療って何?という感じでちんぷんかんぷんだったが、何となくそんな気もすると私も思えた。

 

そんな中根先生に、浦和で在宅医療の講演をするようにと言われたとき、申し訳ない気持ちと、少しでも恩返しできたらと思う気持ちで、講演会に臨ませていただいた。

 

昨日の講演会では私はほとんど在宅医療の医療的側面はお話しせずに、業務的側面についてお話しした。

 

最近外来を始めてみると、改めて在宅医療は様々な業務の集約が重要であるということに気づかされる。

その業務をこなす能力こそが、在宅医療の大きな柱になる。

24時間365日対応する業務。ケアマネジャーや地域の方々と連携をとるという業務・・・これら様々な業務の確立があって初めて、熱意や情熱のある在宅医療ができるという風に思えるからだ。

 

今日の私の講演が、少しでも御恩返しになったかどうかはわからない。

 

でも私の原点である。医療の故郷に触れることができて、楽しいひと時だったことは確かだ。

様々な昔の情景がフラッシュバックしてきた。懐かしいひと時だった。

小児科研修・2

この日曜日私は朝9時から夕方5時まで、小児科研修をさせていただいた。私の研修先の国立国際医療研究センター病院は小児科医が20名も在籍する小児医療の充実ぶりだ。だから、小児の3次救急医療機関でもある。その日曜日の当直ぶりを見学させていただいた。

 

日曜日だが、小児科だけではなく内科、外科の当直がいるために、患者さんがひっきりなしに来院する。当直を担当するのは若いレジデントのスタッフと、さらに若い研修医だ。たった二人で朝8時半から夜8時半までの外来と病棟業務をこなす。

 

私は足手まといになるのではないかとハラハラしながら、見学させてもらっていた。

 

小児救急医療はある意味在宅医療から最も離れた医療分野でもある。

それだけ私にとって新鮮で、驚きの数々である。

 

疾患も異なれば、背景も異なる。

だから問診も異なれば、診察の仕方、採血など検査の組み立て方、治療の仕方などすべてが異なっているからだ。

 

まったく研修医以下の動きしかできない。

私は、時間が過ぎるのも忘れて、若い二人の一人一人の患者さんの対応に目を見張る。

 

ほかに頼ることができないから、二人がお互いの動きを見ながら、瞬時に自分の動きを決めていく。「先生が外来で問診や診察している間に、私は病棟に上がります。」

彼らは意識していないだろうが、彼らの動きには神々しささえある。

 

彼らの使命感こそが素晴らしい。

 

現場を担っている。自分たちが支えになっているという感覚。

必死になって走り回っている。迷ってもいる。悩んでもいる。そして

現場感覚をもって仕事ができるためには、どういう要因が必要なのだろうか?

 

 

私が見学している間に、9人の小児が受診して、3人が入院になった。

 

最後にレジデントの先生が申し訳なさそうに言う。

「本当にバタバタしていて、きちんとお話しできずにすいませんでした。」

申し訳ないのは、私のほうなのに・・・